- 2017.3.24
- 100% そうですよ！
開幕まで１週間。ナイトゲームで行われたオリックスとのオープン戦は、両チーム開幕投手最有力候補によるハイレベルな投げ合いとなりました。１〜２回を３者凡退で滑り出した阪神先発メッセンジャーは、３回裏 先頭打者・小島に内野安打を許してバントで一死２塁とされますが、落ち着いた投球で後続を打ち取ります。
オリックス先発・金子千尋に対する阪神打線はベテラン糸井・福留を休ませ、高山・原口・中谷と若手でクリーンアップを組みますが、金子の変幻自在な投球の前に５回までヒットは鳥谷の右二塁打１本だけに抑えられます。３回表は二死から上本・糸原の１・２番に連続四球を与えた金子ですが、高山をフォークボールで空振り三振に仕留めて難を逃れています。
先手を取ったのは阪神。６回表二死から３番 高山が初球スライダーを逆方向へ返して左二塁打で出塁すると、続く原口は甘くなった真ん中直球を逃さず右前適時安打を放って先制します。「ポイントを近めにして走者を返す事に集中していた。１、２打席と強引になってしまっていたけど、あの打席では上手く打ち返すことが出来た」。４番としてしっかり結果を残した原口文仁選手が手応え十分に振り返りました。
金本知憲監督も「原口、振れて来たしね。ああいうところでポンと返してくれる。勝負どころでの集中力が彼の持ち味」と目を細めます。「スイングの軌道をもう少し、重心の位置とか（修正して長打がもっと出るようになったら）もうちょっと頼もしく・・・求め過ぎかな？」。さらなる成長を願ってやみません。
さすが開幕投手本命同士の投げ合いとあって金子・メッセンジャー共にテンポ良くアウトを重ねていく展開。金子千尋７回（98球）３安打１失点に対して、メッセンジャーも７回（88球）を２安打５三振無四球無失点と文句の付けようがない内容でＯＰ戦最終登板を済ませています。
「梅野といいリズムで投げることが出来たね。全部の球種で投げたい高さやコースに投げ分けられたし、全部の球種で三振を取れた事も良かった。フォークが少し浮いていたせいでフライアウトが多くなってしまったんだけれど、全体的にいいピッチングができたと思う」。ランディ・メッセンジャー投手は、終始ご機嫌な様子でした。
「去年から見て一番良かった気がする。角度あるボールを上から叩きつけて、スピードもあったし、あんな角度あると変化球、特にフォークは打ちにくいと思う。（開幕投手は）もう100%そうですよ。もう伝えてますよ！お前しかいないから！って」。金本監督は、メッセンジャーが開幕投手である事を今季初めて断言。どうやら、キャンプ最終日に伝えてあったようです。
１点勝負となった終盤には公式戦さながらに両チームが小刻みな継投を見せて、シーズンが近づいているという緊迫感に包まれました。８回表はオリックスが佐藤達〜海田〜ヘルメン。その裏 阪神は岩崎〜桑原。９回はオリックス・吉田一、阪神・ドリスが登板しています。
阪神は９回表に７番 江越が左越えにソロ本塁打を放ち貴重な追加点。２対０で阪神がロースコアゲームを制しました。
勝利を引き寄せるアーチを描いた江越ですが、指揮官は「宝くじみたいなもんやろ。アレも一つの持ち味かも分からんよ。その前の三振見たら、誰が打つと思う？彼らしいと言うか？（笑）」と冗談混じりに話します。片岡コーチは、別の視点で江越を観ていました。「追い込まれて真っ直ぐを打ったけど、初球セーフティ（バント）の構えをしたのも彼の成長。自分のタイプを解って来た」。
スタメンから外れた北條は８回表代打で出て中前安打を放ちますが、片岡篤史打撃コーチによると「北條はまだレギュラーじゃないし・・・北條 ぼやぼやしてたらアカンで！という事」のようで、ベンチが集中力を高める為にカンフル剤を打ったカタチです。
代わりに２番ショートを任された新人の糸原は２打数ノーヒットながら２四球を選んで、それなりの役割を果たしています。久慈照嘉内野守備走塁コーチは、「（糸原はショートも）ソツなくやるし、問題ないんじゃないか？北條も刺激になってイイんじゃない」と話しました。
「練習ではショートを結構守ってるので。（複数ポジションこなせるのが）一つのボクの持ち味なのでセカンドでもショートでもサードでも任されたところでプレーする」。ルーキー糸原健斗内野手は、淡々と自分の仕事に集中するスタンスでいます。
残り２試合となったオープン戦。「開幕まであと少しなので、１球１球大事にして、守備でも打撃でもやっていかないと自分の中でダメだと思う」と北條史也内野手。この夜のヒーロー原口文仁選手も、「結果を出さないと出続けられない。少しでも良い結果が出るよう準備」する事の大切さを肝に銘じていました。
