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TORABAN Tantou Kisha ColumnCOLUMN INDEX

Vol.2012-10 最高の準備が出来た!!充実の『一丸キャンプ』打ち上げ


和田 豊 監督

「やるべき事、やりたいと思っていた事は全て出来た。最高の準備が出来たと思う!」。新指揮官は、胸を張っていた。宜野座の空にチャンピオンフラッグを取り戻すことを心に誓って・・・!

2月29日(火)、一ヶ月に及んだ宜野座村野球場に於けるスプリング・トレーニングが完結した。最終日まで投内連係、ゲーム形式のノックなど全体練習をしっかりと行い、ラストは高校生のように全員で声を出しながらグラウンドを走るメニュー。まさに、テーマでもある『一体感』を象徴するシーンだった。最後に全員が気持ちを一つにして終わろう!今年1年そういう気持ちで一体感を持ってやろう!というコーチ陣の提案だった。そして、新選手会長の関本賢太郎内野手が音頭を執って、一本締め。「秋には和田監督を胴上げ出来るように、精一杯頑張って行きましょう!」の言葉で、球団史上初めて終始沖縄に居座り続ける長丁場のキャンプが幕を閉じた。


関本賢太郎 選手

「まず『和田の考え』を選手に伝える、という意味で、各コーチがメニューに取り入れて・・・現時点では、伝えるべきは全て伝えられたと思う」。和田豊監督が、キャンプを総括する。だが、点数を訊かれて、「決して、ここで満足する事はあり得ない。80~90点位。あとの10~20%は、オープン戦の中で解消してほしい」と、自らにも言い聞かせるように話した。「選手会長の関本、キャプテンの鳥谷、球児が率先して引っ張ってくれた。ベテランはそれを支えて、若い選手は良く声が出て・・・」チームが一つになりつつある実感があった。

指揮官は、ブルペンにも足繁く通った。「球児が、若い選手の見本。オフからの発言でも・・・。この姿勢はしっかりと貫いてほしい。ローテは、4~5枚しっかり決まって来ている。あとは若手とベテランで、残り一ヶ月。高いレベルで競争してほしい。(若手は)鶴、秋山、小嶋。ベテランでは安藤、小林宏・・・」。具体名を挙げて、開幕ローテ争いを煽ってみせた。「3月30日の投手は、早い時期から自分では決めている。あとはいつ本人に伝えるか?しっかりローテを決めた上で、いつ伝えるか?が、私の役割」。開幕投手は、既に指揮官の胸の内にあるという。


藤川球児 選手

野手では、再起を目指すベテラン勢。金本、城島らの元気さが目立っていた。「彼らの姿は(若い選手の)見本、参考になる。(金本は肩などに不安があった)1年前はスッキリしない感じだったが、すっかり元に戻っている。2月1日の動き、姿を見ると『これはやってくれるな!』と、ひしひし伝わるものがある。(城島については)彼がいるとチームが明るくなる。ポイント・ポイントで、声が盛り上げてくれる」。

役者が揃った事によって、当然打線は厚みを増す。「4番候補が、何人もいる。もちろん、昨年打点王を獲った新井(貴浩)が中心になるが、ある程度競争してもらい、勝ち取って開幕を迎えるカタチに」なることを指揮官は、理想と考えている。そして、「鳥谷が何番に座るか?で、打線も変わってくる」という。


新井良太 選手

キャンプのMVPには、「声というところで新井良太を挙げたい。とにかくチームを盛り上げてくれたし、声だけでなく、打撃も守備もかなり・・・。お兄ちゃんからポジション奪う位の」成長を期待して、指揮官らしいチョイスだった。伝え聞いた新井良太内野手は、「声ない、技術ないでは、この場所に居られない。凄く良いキャンプを過ごす事が出来た。これからが大切」と気を引き締めている。

打順に限らず、不確定要素はかなりある。投手では榎田を先発・リリーフどちらに配置するか?は、まだ決めかねているようだが、キャンプ最終盤になって何とも厄介な難題が浮上した。左脇腹の故障発生で、この日の朝、チームより一足早く緊急帰阪した藤井彰人捕手が公式戦開幕に間に合うのかどうか?藤井彰は、大阪市内の病院で精密検査を受けた結果、『左腹斜筋・筋挫傷』で全治は明らかにされなかった。


柴田講平 選手

昨年夏、2度目の左膝手術を行った城島は、しばらくは一塁手としての起用が既定路線。にわかに小宮山、清水、岡崎ら若手捕手の開幕マスクが、現実味を帯びて来た。「何が起こっても大丈夫なように準備はしている」和田監督だが、この事態は想定外だったかも知れない。

また、指揮官は、「センターが空いてる。4~5人が必死になってやっている」と話す。内野から大和の参戦もあって、ますます熾烈化する外野争い。ルーキー伊藤隼が、果たしてレギュラーを獲れるのか?浅井、俊介、田上らも虎視眈々。ここに本来最有力!左肩故障から復帰の柴田が加わる。3月のオープン戦は、過熱必至!だ。

3月2日(金)、沖縄から関西に帰って一息ついた猛虎たちは、兵庫県西宮市にある『戦いの神様』廣田神社を訪れ、恒例の必勝祈願を行った。選手は春雨の中で傘を持って拝殿に入ったが、雨は『ふり込む!』と言って、縁起が良いらしい。

和田監督一家が初詣に来た際、絵馬に願い事をしたエピソードを神社の西井璋宮司が、明かしてくれた。そこには『家内安全』と『優勝あるのみ』と書かれてあった。この日も和田監督が玉串を捧げる際、柏手を打つタイミングが、選手たちとピタッと合っているのを聞いて、心が一つになっている事を確信した!という。

3月3~4日の高知遠征では、育成契約のザラテ、鄭が好投。打っては、野原将や林と言った安芸キャンプ組の活躍が目立った。鳴尾浜では、プロアマ交流戦(対亜細亜大/3日)で、柴田が三塁打2本を放って猛烈なデモンストレーション。一軍、ファームの垣根を越えて群雄割拠の内なる戦いが、いよいよピークだ。