


新井貴浩 選手
日本が哀悼に包まれた3月11日-。
この日は日曜ということもあり、各地でオープン戦が6試合組まれていたが、各試合とも14時46分に試合を中断し、震災犠牲者に向けて黙祷が捧げられた。また、各球場では試合前に東日本大震災義援金の募金活動が行われ、巨人とのオープン戦が予定されていた甲子園球場でも、甲子園球場敷地内のミズノスクエアで両チームの選手とタイガースOBが募金活動に参加。タイガースからは関本賢太郎、岩田稔、そして、前日に東京ドームで行われた東日本大震災復興支援ベースボールマッチに侍ジャパンとして代表に選ばれていた新井貴浩選手も姿を見せた。
タイガースの四番を務め、チームの顔の一人でもある新井選手は、同時に日本プロ野球選手会会長という要職にもついている。昨シーズン開幕前、選手会長として12球団の経営者サイドとの様々な交渉に奔走。タイガースだけでなく、日本プロ野球界の顔として募金活動やイベントを行い、復興支援に尽力した。昨シーズン、個人的に設定した義援金(本塁打1本につき10万円、打点1点につき5万円)は、打点王を獲得したこともあり、合計635万円となった。「1年経ったが、被災地の生活や心の傷は変わっていない。その思いを胸に戦っていきたい」と誓いを新たにした新井選手。今後も継続して支援を行うつもりだ。

ランディ・メッセンジャー 選手
試合のほうはオープン戦ながら伝統の一戦らしく最後までもつれて、2-2の引き分けに終わった。4回2失点だった先発のランディ・メッセンジャー投手は、失点の場面ではボールが高めに浮いていたものの、それ以外の場面では概ね低めに制球されており、調整は順調のようだ。2番手で登板した久保康友投手は1回を投げて無失点。先頭打者に四球を与えたこともあり内容的には本人は不満顔だったが、キャンプ中に右肩のハリを訴えて、この日が実戦初登板。開幕までの2週間余りで状態はさらに上がっていくだろう。

小宮山慎二 選手
タイガースの得点シーンは四回と九回。四回は一死二塁からクレイグ・ブラゼル選手のタイムリー。1点ビハインドの九回は、先頭の小宮山慎二選手が右前打を放ち、相手のミスの間に二塁へ進塁。続く俊介選手がバントできっちり送り、一死三塁から上本博紀選手がスクイズを成功させ、土壇場で同点に追い付いた。

クレイグ・ブラゼル 選手
昨秋、今春キャンプではバントだけで得点を競うバントゲームを実施するなど、和田阪神の指針は明らかにスモールベースボールを指している。四回はブラゼル選手のタイムリーの後も、城島健司選手がヒット、金本知憲選手が四球で満塁のチャンスを作ったが、後続が倒れて得点は1点のみ。『あのチャンスにもう1本出ていれば・・・』、ここ数年のタイガースでよく聞かれた言葉だが、特に昨シーズンから導入された統一球の影響で各チームとも得点力が激減。今シーズンも1点を巡る攻防が繰り広げられることが予想される。それだけに九回の得点シーンは、『ヒット1本でも点は取れるよ』、という和田監督からのメッセージだ。これにシーズン中も応えることができれば、リーグ優勝がグッと近づいてくる。


















